しつけに悩んだら
「仕付け」?「 躾」?
しつけに関する本論に行く前に、ちょっと整理をしておいたほうがいいかなと思います。
「しつけ」って漢字で書くとどうなりますか?
「仕付け」と「躾」の2パターンがあると思います。
「仕付け」とは裁縫の「仕付け糸」のように、あっちゃこっちゃに動かないように押さえつける意味。本人の意志は関係なく、縛り付けるニュアンスだと思います。危ないことをしようとしたときに、時には腕力でもって行動を制止したり、人に危害や迷惑をかけるような行為を厳しく制することがこの「仕付け」ではないかと思います。
一方、「躾」は身を美しくする術を身に付けること。本人の意志が大いにかかわります。親に叱られるからいたずらをしないのではなく、いたずらをするとどういう風に人に迷惑がかかるからやらないほうがいいと、自分で学んだり、がまんを強いられるのではなく、がまんをすることを自ら選べるようになることを言うのだと思います。こちらの「躾」にはあいさつや食事のマナーなんてのも含まれるでしょう。それらは押しつけられて身に付けるよりも、自分自身で必要性を感じて、学ぶことが重要だと思います。そのためには親は忍耐強く子どもの成長を見守る必要があるともいえますし、親がギャーギャー言うよりも手本を見せることのほうが重要だろうとも思います。
しかし、この2つの「しつけ」を混同して議論すると、訳が分からなくなります。
「しつけ」は「躾」。だから押さえつけてでも、厳しく接することで子どもの身が美しくなるんだなんて、あべこべな理屈がまかりとおるようになります。
押さえつけてでも「仕付け」ることが必要なシーンと、子ども自身が学習する「躾」を大切にするシーンとを区別して、以降のしつけ論を読んでみてください。